机の前の窓から毎日眺めている「ゆずり葉」の木。新しい葉っぱはぐんぐん大きくなる。外に出てみると、濃い緑の葉は少しずつ弱って既に落ち始めている。古い葉と新しい葉の間に花の咲いた跡が見える。花を見逃したかもしれない。

(たぶん小学校の)教科書にゆずり葉の詩があった。ネットで調べると河井粋茗(1874ー1679)という人の詩だった。最初の方はこんな具合。

子供たちよ。
これはゆずり葉の木です。
このゆずり葉は
新しい葉が出来ると
入り代わってふるい葉が落ちてしまうのです。

こんなに厚い葉
こんなに大きい葉でも
新しい葉が出来ると無造作に落ちる
新しい葉にいのちをゆずって――。

子供たちよ
お前たちは何をほしがらないでも
すべてのものがお前たちにゆずられるのです。
太陽のめぐるかぎり
ゆずられるものは絶えません。