「綺麗な形だよね」と言って、テリーさんが2種類の木の実を下さった。どちらも木の名前は知らないそうだ。なにしろユーカリの種類は600以上もあるのだから。大切に持ち帰って、オプショップで買った木の器に入れた。
次のテニスの時にまた持って来て下さった。しかし今度は何と、その2種類の実が同じ枝に付いている。テリーさんは「同じ枝に付いているのは雄花と雌花のようなものだろうか。それともだんだんと形が変わるのだろうか。」と。こうなると真相を突き止めずにはいられない。名前も知りたい。
次の日、ベレア国立公園の中にある「ステイト・フローラ」という州立の苗屋さんに木の実を持って行く。オーストラリア原産の植物の苗だけを売っていて、専門的な知識を持っている人たちが働いている。
名前は「ユーカリプタス・コンフェルミナータ (Eucalyptus Conferruminata)で、普通にはマーロック(Marlock) だそうだ。星型の突起のひとつひとつは花のキャプセルで、キャプセルが落ちて中から花が出て来る。花が散るとゲンコツのようになって中に種が入っているそうだ。
キャプセルが落ちない(花が咲かない)うちに枝が折れて、キャプセルはそのまま乾いて硬くなったのだろう。星型のキャプセルとゲンコツのような実とは1年のズレがあるわけだ。