懸案の、仕事部屋の片付けを始めた途端、いろいろな物が出て来て過ぎ去ったことを思い出させる。「感傷に浸らず、迷ったら捨てる。それが片付けのコツよ。」と、片付け上手な妹は言うけれど、それがなかなか難しい。手紙や写真が一番難しい。
母の若い頃の写真が出て来た。地味な格好だし変わった髪型だけど、たぶん結婚した頃だろうと思う。亡くなる1年半前の写真と比べて眺める。二枚の写真の間には60年以上の時間が流れているけれど、同じ一人の女性なんだ。私の知らない沢山の苦労があったに違いない。・・・・それにしても短い命。
実はまた風邪を引いてしまって微熱が取れない。寝るほどでも無いので片付けを続けている。写真を見ながら、そうだ、お粥を炊いて母の梅干しを食べようと思った。残りはあと3粒になってしまった。