午後からの激しい風雨でアデレードじゅうが停電になった。久しぶりだったので、電気が使えないというのがどんなことか忘れていた。どこも真っ暗だというだけでなく、ガス台もオーブンも電子レンジもトースターもブレンダーも一切使えない。電話が出来ない、インターネットが繋がらない、ラジオも聴けない。熱いシャワーを浴びて早く寝ようか。ああ、お湯が出ないのだった。頼りになるのは携帯電話だけだ。でも充電は出来ない・・・。

わかった。それじゃあ、その不自由を楽しもう！部屋じゅうに蝋燭を灯し、卓上用のガスコンロで目玉焼きを作ってお湯を沸かしてお茶を淹れる。もちろん暖炉を焚く。キャンプ生活みたいで悪くない。ひと晩だけだからね！

お嫁さんのお母さんと二人だけで会うのは初めてのことだった。ふたつの公園を散歩して、それから一緒に晩ご飯を作った。子供たち孫たちがやって来るまで、手放しで（共通の）孫自慢をし合った。

お婆ちゃんたちが腕を振るった晩ご飯を、自慢の孫達は喜んでモリモリ食べた。

これは実はとても「幸せなこと」なんだと思う。私の母と、もと夫のお母さんが、一緒に料理をしてくれたなんてことは無かったもの・・・。

暖かく晴れた日曜日、日本人のお友達二人をマウントロフティー植物園に案内した。桜は五分咲き。レンギョウは満開。木々の淡い緑が、それはそれは綺麗だった！

クカバラ（ワライカワセミ）を近くで見た。しばらく待っていたけど、ついに笑わずに飛んで行った。