同性愛者への偏見がまだまだ強かった頃だから、「そんな人達」の支援は受けたく無いという組合員もたくさんいた。家族にさえ理解されなくて苦しんだゲイも多かった。エイズが急激に広がった頃でもあった。
同性愛者への偏見がまだまだ強かった頃だから、「そんな人達」の支援は受けたく無いという組合員もたくさんいた。家族にさえ理解されなくて苦しんだゲイも多かった。エイズが急激に広がった頃でもあった。
「Konnichiwa、Midori!」と声を掛けてくれる人がいる。卒業生らしいことは雰囲気で分かるけど思い出せない。困った顔をしていると「マイケルです」と名前を言ってくれる。マイケル・・・マイケルと言われても。「卒業は何年前?」「担任の先生は誰だった?」「クラスにどんな生徒がいた?」と話すうちにだんだん記憶が絞られて、「ああ、マイケルね!」と納得はするけれど、遠い記憶は鮮明ではない。
家に帰って写真を眺めていると、だんだんピントが合ってきて、25年前のマイケルが生き生きと思い出される。どうしてその場で思い出せないのだろう。記憶が蘇るのにどうしてこんなに時間がかかるのだろう。
毎年来てくれる卒業生、久し振りに会う卒業生、そして初めて会う卒業生。今年も数えきれないぐらいの卒業生に会った。「スプリングフェア」は同窓会でもある。
町の中の古いレンガの倉庫を改造して1年前から日曜の朝に、マーケットが開かれている。今日初めて行ってみた。開店15分前に行ったので駐車は簡単に出来たけど、あっという間に沢山の人が来て賑やかになり音楽の演奏も始まった。
花、野菜、パン、チーズ、ケーキ、カフェ、洋服も・・・何でもある。粘土の窯でピザも焼いているし、その場で野菜や果物のジュースを絞ってくれる。ほとんどのものがオーガニックだ。カジュアルだけどお洒落で健康志向で、お金を出しても良いものが欲しい人たちのマーケット。買物をする場所というだけでなく、マーケット全体がカフェという感じ。あちこちに置いてあるテーブルで、買ったものを飲んだり食べたりしながらお喋りを楽しんでいる。
「ミミ」は精霊だ。アーネムランド(北オーストラリア)に住んでいるアボリジニの伝説の中に出てくる。強い風が吹くと折れるかもしれないほど細い体をしているので、たいてい岩の割れ目などに住んでいる。アボリジニがこの地にやって来た頃には「ミミ」は人間の形をしていて、アボリジニにいろいろなことを教えてくれたそうだ。猟の仕方や絵の描き方など。その「ミミ」を描いた絵画や彫刻はたくさんある。
ふと目についた一枚の「ミミ」に惹かれた。草で編んだ袋をさげている。2本の槍と槍を投げる時に使うウーメラが横に描かれている。背景の深い緑は森のように見える。シャドラック・バトラスという若い人の作品で、A4よりやや大きい。買ってしまった。
私は不器用でせっかちだから、洋裁や編み物は子供の時から大嫌い。それでも、ポケットが両側にある緩やかなスカートを自分で作りたい。今まで出来なかったのは、いつもポケットでつまずいてしまうから。親切な先生が手早く上手にやってくださるのに甘えていたから。
今度は「教えることが専門の先生」に教えて貰った。まったく違うやり方なので驚いた。ポケットの布を、有るべき所にピンで留めて、スカートの前と後ろをポケットごと縫い合わせる。そして表にひっくり返すと・・・両側にポケットがちゃんと出来ている!目から鱗。習った、という実感。
最後の写真は、そのあとプリーツを畳んでウェストベルトを付けてみたところ。今度こそ自分一人でやれるかも。