クラブ・アップル

On 2010/09/28, in , by evermidori
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何年も会わなかったジョン・ジョーンズが、今年の2月に亡くなった。「お葬式は要らない。木を植えて欲しい。」と言っていたと聞いて、このクラブ・アップルの木を庭の隅に植えた。

花が咲いて、ジョンを偲んでいる。元気だった頃の声や仕草を思い出す。ワインの好きな、シャイで静かな地質学者だった。地球の歴史や星のことを話してくれた。面白い英語の表現も教えてくれた。優しい人だった。大きな体を揺すって悪戯っ子みたいに笑った。スペンサー湾に、別荘がいくつかあるだけの無人島があって、10人乗りぐらいの小さい飛行機で二度遊びに行った。釣った魚でお寿司を作ったら喜んでくれた。ジョンの家にはプールがあった。裸で泳いでいると、ジョンが私をじっと見ている。40代の私にとって60才を過ぎたジョンはお爺さんだったから、恥かしくもなんともなかったけれど、今思い出すとちょっと恥かしい。

大学を辞めて、奥さんと別れて、気持も体も弱くなって、ジョンらしくなくなって、それで私はだんだんと会わなくなった。寂しかった(だろう)ジョンに、もっと会いに行けば良かった、と悔やんでいる。もう遅い。もう決して会えない。


 

早歩き

On 2010/09/27, in その他, by evermidori
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テニスもダンスも止めて5年になる。体を動かさなくちゃと思いながら何もせずに過していたところ、Hさんがウォーキングに誘ってくれた。チャンスだ!マウントバーカーにある湿地帯からもっと遠くまで続くサイクリング・コースを歩いた。最初は手を振りながら早歩き。そのうちスローダウンして普通歩き。でもちゃんと1時間歩いた。6キロぐらいかなあ。新緑の林が気持ち良い。広い空が綺麗。池のカエルや小鳥の声も聞こえる。ちょっと汗ばんだ体が喜んでいる。気持も軽くなっている。また歩こう!もっともっと歩こう!Hさん、ありがとう!


 

盆踊り

On 2010/09/27, in 学校, by evermidori
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折り紙は、正しく丁寧に折りさえすれば出来上がる。習字は下手でも個性的だと思えば良い。しかし、盆踊りを教えるのはなかなか難しい。

6年生にもなって、歩きながら円を作るのがまず下手だ。前の人と適当な間隔を取ることから教えなくちゃならない。日本では幼稚園からやっていることを、ここの生徒達はほとんどやったことが無いのだ。まして、やわらかい手の動き、目線、腰をちょっと落とすなど、教えようと思っても出来っこない。見たことが無いのだから無理も無い。しかし何とかもう少し上手に踊って欲しい。手を打って、手をかざし、後ろに一歩、また一歩、前に進んで、丸いお月様、もうひとつ・・・確かに生徒達はその通りに動いてくれるけど、何かが「違う!」「だめ!」まるでお相撲さんの土俵入りだ。ちゃんとやっているのに私がどうして不満なのか、生徒達には分からない。結局、時間切れでダメなまま発表する。それでも毎年、「上手!」「Kimono や Happi が綺麗!」と褒められ、生徒達自身も嬉しそうだ。あーあ。

しかし、これで良いのだと、今年はついに悟った(諦めた)。

 

ユリズミー

On 2010/09/26, in 学校, by evermidori
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シュタイナースクールには、ユリズミー(オイルトミー)というユニークな科目がある。言葉や音楽を体の動きで表現するものだが、ダンスとも違う。表現手段としてのオイルトミーの他に、治癒のためのユリズミーというのもあって、心や体の治癒を必要とする生徒達が専門のユリズミストにレッスンを受けている。

15人の教師たちが、語りとユリズミーで、  John Yeoman 作  “The Wild Washerwomen” を小学校の生徒と父兄に発表した。

7人の 洗濯女 は、欲深い雇い主の要求する仕事の膨大さに、ある日とうとう洗濯場から逃げ出してしまう。山羊の引くカートに乗って街に行き、自由奔放に振舞って開放感を満喫する。森に住んでいる7人の木こり達は、泥や炭で体中を恐ろしく汚くして洗濯女たちを待ち伏せして驚かす。あまりの恐ろしい様子と汚さに 洗濯女たちは逃げ出そうとするが、結局7人を捉まえてすっかり洗濯して綺麗にして、やがて結婚して仲良く幸せに暮らす、というお話。

早朝練習は遅々として進まなかったけど、本番はとてもうまく行って、生徒達は大喜びで拍手喝采!

「経営不振で沈みかけている船」に乗っている(自分勝手な)教師たちが、ほんの20分間だけ、真に運命を共にしたかのような錯覚を覚えた。(沈みかけている船のことは、また別に書くつもり)

 

散歩

On 2010/09/19, in その他, by evermidori
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マリヨレーンに、本当に久し振りに会った。オランダ人だからという訳じゃないけど、鉢植えのチューリップを抱えて行った。去年の誕生日にプレゼントした沈丁花は、庭に下ろされて随分大きくなって花を咲かせていた。

ブルーベリーの入った温かいマフィンと美味しいコーヒーを頂いてから、裏庭にすぐ続くブッシュ(ユーカリの自然林)を散歩した。5分もしないうちに「あ、あそこ!」と指差す木の上を見上げると、曇り空にコアラの形のシルエット。「あそこにも!」「ホラ、あそこにも!」・・・30分の散歩で6頭のコアラを見つけた。と言っても、肉眼では、高い枝にある黒い塊にしか見えないのだけど。たいていは枝の叉のところに上手に腰掛けて眠っている。暫くすると案外近くでクカバラを見た。喧しく大声で笑う鳥(笑いカワセミ?)だ。羽の明るいブルーが素敵。2、3羽のクカバラが一斉に笑うと、つい釣られて笑ってしまう。

♪ Kookaburra sits on the old gum tree, Merry merry King of the bush is he, Laugh kookaburra laugh, Kookaburra gay your life must be   (子供達が輪唱で歌う歌、gum tree は、ユーカリの木。)

気の合う友達とお喋りをする。自然の中を歩く。どちらも、気持が疲れている時に効く良薬だ。


 

卒業プロジェクト(3)

On 2010/09/18, in 学校, by evermidori
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ドリアンのプロジェクトは、小学生にアボリジニの文化を紹介すること。彼女の企画と交渉で、アボリジニの人たちが学校に来てくれて、4年生から7年生までの生徒達が絵や踊りや籠の編み方を教えて貰った。その文化や技術を持っている人たちに手取り足取り教えて貰うのは、本や画面を通して学ぶのとは大違いだ。子供達はアボリジニの人たちと身近に接触する貴重な経験を得た。

これもドリアンのアイディアとイニシャティブで、生徒と教師の全員が、体育館の壁に「手のひら印」を押した。アボリジニ独特の点々で描いた絵のような壁画が出来た。(写真はその三分の一ほど)「手のひら印」は、ひとりひとりの気持の表現だ。意識してもしなくても。

また彼女自身は、アデレードから遠くない所に住んでいるガーナ族の言葉を習い、その言葉で簡単な童話を作った。製本された絵本には英語訳も添えてあり、挿絵もなかかな綺麗だ。12年生の一年間のプロジェクトとしては大したものだと感心する。

歴史は忘れてはならない。しかし心からの謝罪と償いと歩み寄りで、いつか本当の和解にたどり着かなければならない。18才のドリアンのプロジェクトも、その遠い時へ向かってのささやかな一歩だ。

 

太鼓の練習

On 2010/09/16, in 学校, by evermidori
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6年生のクラスで、「春祭り」のオープニングに太鼓を叩きたい人を募ったら、4人の生徒が手を挙げた。親の承諾を得て、今日の放課後その4人を梅原さんのお宅まで連れて行った。

その太鼓の練習がどんなものだったかというと・・・。まず基本の叩き方や間の取り方や姿勢などを教えて頂いて、その後は、「さあ、ゆっくりしたリズムの後は、どうする?」「それ、いいね。フランシスのそのソロを、他の人はどうサポートするかな?」という具合に導いて下さり、それからは生徒達が自分達で工夫して、話し合って、どんどんリズムを決めていったのだ。私は少しハラハラしたけれど、梅原さんは生徒達に任せておられた。四人の6年生は実に楽しそうで生き生きしていた。あと一週間自主的に練習して、うまく完成させることだろう。

浴衣に赤いタスキ、法被に鉢巻き。緑の芝生のグラウンドに、力強い太鼓の音が響く。ドン!ドン!ドン!ドン!ドドドドドドドド………ドン!大きな輪になって座っている生徒たちも教師たちも父兄も興味を持って聴き入っている、その光景が見えるようだ。劇でもコンサートでも本番に強い生徒達だから、「春祭り」のオープニングもきっとうまくいくと信じている。

お礼のメールを梅原さんに送ると、すぐに来た返信がまた嬉しかった。

緑様

ご苦労様でした。・・・・・・既成のものを1時間で教え込んで、それをやらせようとしたら、本人たちも苦しいし、覚えられるわけはないし、で絶対に失敗します。生徒さんた ちは、無駄なおしゃべりなど一言もせずに、1時間半、ひたすら太鼓の曲づくりだけをしましたね。はじめから終わりまで全部自分たちが作った曲です から、先生が決して邪魔をしてはなりません。生徒が考えていないリズムをやらせようとしたり、どうか、なさらないように十分気をつけてください。 シュタイナー教育がよく身に付いた生徒たちでなければ、絶対にきょうのようにうまくは行きません。驚くなら、どうぞ、シュタイナー教育の効果に驚 いてください。


 

スモモとアンズ

On 2010/09/14, in , by evermidori
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スモモの木を植えたのは初孫が生まれた年。アンズの木を植えたのは2人目の孫が生まれた年。春にはそれぞれの花を咲かせ、夏にはほっぺたが落ちるほど美味しいスモモとアンズが実る。

駆けっこも水泳も、9才のスモモには勿論、6才のアンズにももうとっくに敵わない。テニスだってダメかもしれないけど、もう一度いつか試合をしてみたい。

満開を過ぎて葉っぱも出始めたスモモの花。今朝、雨上がりに一輪咲いたアンズの花。どちらも綺麗で、お婆ちゃんにはどちらも可愛い。兄弟仲良く大きく育って欲しい。

 

レモングラス

On 2010/09/13, in , by evermidori
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バード・ウォッチングの「黒いサンタ」は、私が裏の戸を開けて会いに行こうとするとサッと逃げてしまうのに、今日初めてやってきた綺麗な虎猫は、目が合うと寄って来るし撫で撫ですると喜ぶ。レモングラスに体を擦りつけていたので「レモングラス」と呼ぶことにして、暫く一緒に仲良く遊んだ。

ところで「レモングラス」は誰にでも人懐っこいのかな。それとも、私と相性が良いのかな。いったい猫と人の場合でも相性というものがあるものかしら。人と人の場合は初対面で、相性が良いかどうか友達になる可能性があるかどうかお互いに何となく分かる。まあ勘違いも片想いもあるけれど。「レモングラス」の気持は、まだゼーンゼン分からない。でもまた遊びに来てね。お天気の良い週末にね。


 

人参ジュース

On 2010/09/12, in 食べ物, by evermidori
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何でも三日坊主の私だけど、毎朝の人参ジュースはもう1年半続いている。ジューサーは金属板の回転式。金属に触れるとビタミンCが壊れるそうだけど、すっかり無くなる訳じゃないだろうと盲信している。人参も林檎も丸ごと入れて、あっという間に搾ってくれるこの速さには代えられないもの。(「ねじり絞り式」は人参も林檎も小さく切らなくちゃならないし搾るのにも時間が掛かる。)

家に泊まったNさんが、「美味しい!私も真似するわ。」と、日本に帰ると早速ジューサーを買い求めて作ってみて「緑さんのジュースのように美味しく無い」と言って来た。「人参が美味しくなくちゃダメだと思うよ。」と言うと、さっそく畑を借りて人参の種を蒔いて、今は美味しい人参ジュースを飲んでいるそうだ。Nさんの行動力は凄い。私はそこまで出来ない・・・。

人参、林檎、レモンが基本で、いろいろ他のものを入れて楽しむ。今日はセロリと生姜とブラッドオレンジを加えた。

美味しいから続いているんだけど、嬉しいことに3キロちょっと痩せた!うん。