オリーブの花

On 2010/10/30, in , by evermidori
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オリーブの花が、枝いっぱいに咲いている。脚立に乗って写真を撮った。秋にはまた沢山の実がなることだろう。眺めるだけのオリーブの実。私の複雑な気持を他所に、白い花は実を結ぶ為に無心に咲いている。

今年の7月に悔しい思いをした。そこに小さいオリーブの木があることは知っていたけれど、暫くすっかり忘れていたのだ。気が付くと、成長した木の枝に紫色の実がびっしり!おお、収穫の時だ!大喜びで脚立を持って来たけれど、どの枝も高過ぎて届かない。棒切れや剪定バサミを空しく振り回した挙げ句、僅か10粒程を収穫して、あとは諦めるしか無かった。

適当な高さに剪定しなかった私が悪かったのだ。成長を見守ることさえしなかった報いだ。脚立から転げ落ちなかったのが、せめてもの幸いであった。


 

オレンジとアーモンドのケーキ

On 2010/10/30, in 食べ物, by evermidori
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真夜中に思い立って、久し振りに「オレンジとアーモンドのケーキ」を焼いた。オレンジの香りと超しっとり感が良い。ブレンダーにかけるのをほどほどにすると、オレンジの皮の色がちらほら見えて綺麗。ずっと前にこのケーキを教えてくれたのは友達のサリーだけど、粉を使わないというので驚いたことを思い出す。

写真のケーキ2個分のレシピ:

1)大きいオレンジを丸ごと2個、2時間位弱火で茹でて(圧力鍋だと断然速い)ブレンダーにかける。

2)卵6個、砂糖250グラム、アーモンドの粉250グラム、ベーキング・パウダー 小さじ2杯、あれ  ばオレンジリキュールをちょっぴり。

3)全部を混ぜ合わせて、バターを塗ったケーキ型に入れて、190度で1時間焼く。すっかり冷めてから、食べる前にアイシング・シュガーを振りかける。


 

ユーカリの花

On 2010/10/28, in その他, by evermidori
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放課後、学校の裏の林道を歩いていると、鮮やかな赤い色が点々と落ちていた。見上げるとユーカリの花の盛りだった。花も葉っぱも、うな垂れるような形で下へ向いている。この土地と気候に合った野生の植物は美しい。ミツバチや小鳥を静かに歓迎していた。


 

手紡ぎと手織りのギルド

On 2010/10/26, in その他, by evermidori
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これも知る人ぞ知る「リトル・グローリー」というお店。ウールやアルパカの毛を、梳いて、染めて、紡いで、編んで、出来たものを展示即売している。手紡ぎ手編みのものは驚くほど手触りが優しくて柔らかい。オーストラリアらしい物なので、日本へのお土産に帽子や手袋やマフラーをよく買う。うんと気に入るとお土産にするのが惜しくなって、自分で使ってしまう。

ギルドの会員の多くは年を取った人が多く、週末の午後に交代で店番をしている人達は、穏やかで親切で感じが良い。紡いだり編んだりするのが大好きだという人達。売るために作るのではなく、出来たから展示して、気に入って買ってくれる人がいれば嬉しいという風だ。こういう人達の数もどんどん少なくなっていくのだろう、と思う。話をゆっくり聞いてみたい。どういう人生を送ってこられたのだろう・・・。

 

ビースティング 

On 2010/10/26, in 食べ物, by evermidori
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ドイツ人が作った「ハーンドルフ」という街に、ドイツ菓子の店がある。学校の帰りに(行きに)たまに立ち寄ってコーヒーを飲んで、たいてい「ビースティング」という素朴なお菓子を食べる。カリッとした蜂蜜味のアーモンドの表面は、蜂が刺したように(?)デコボコしていて、パンのようなケーキにカスタードクリームがたっぷり挟んである。ビースティングの一切れは大き過ぎるので、半分だけ出して貰って、残りは持ち帰る。


 

手作りローソクの店

On 2010/10/25, in その他, by evermidori
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店の中には40種類ものエッセンシャルオイルの香りが混じり合って漂っている。手作りのローソクは、色も香りもサイズも様々で、どれも綺麗で、選ぶのが難しいくらいだ。ローソクを置くスタンドやお皿もいろいろ揃っている。この店を始めたのはオランダ人の夫婦で、うちの学校に二人の娘を通わせていた。今は(作り方はそのままで)他の人の手に渡っているけれど、やっぱり私はこの店によく行く。

灯を点すと、時間が経つにつれて炎の位置が深くなって、周りの蝋の色が明るく浮かび上がる。微かに良い香りがする。ローソクが大好きだ。食卓、居間、台所、玄関、洗面所、どこに置いても楽しい。ゆったりした気持にしてくれる「心の薬」でもある。



 

スプリング・フェア

On 2010/10/25, in 学校, by evermidori
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恒例の資金集めの春祭り。教室も校庭も、学校中が小さなお店でいっぱいになる。いくつかの喫茶店、レバノン食、お寿司、バーベキュー、シャーベット、ジャム、蜂蜜、石鹸、苗木、陶芸、手作り服、手芸品、本、絵画、古着、古道具、手作りアクセサリー、などなどなど。子供達の為にラクダ乗りや迷路もあり、舞台では音楽の演奏が続く。外部からのお客さんも多いし、卒業生達がパートナーや子供を連れて遊びに来てくれる。「久し振りね!」「今は、何をしているの?」「私を覚えている?」

父母を中心に皆で働いて皆で買い物をして、どんなに頑張っても経費を差し引いた純益は15,000ドルぐらいにしかならない。50ドルずつ寄付したほうが楽だという声も毎年上がる。でも、子供達は大喜びだし、皆で一緒に働くと連帯感のようなものが生まれるからか、もう30年以上も続いている。

「撫子教室」でも毎年店を出す。今年は、団扇にカラフルな和紙を貼ったものを用意して、書道の上手い人に字を書いて貰った。お客さんが選んだ字は、春、花、平和、愛、嵐など。「Sushi を作る時の必需品だよ!」と宣伝すると、5ドルの団扇はよく売れた。委託販売の紙人形や紙ダンスもほぼ売り切れた。四畳半の畳の間では、梅原さん夫妻が折り紙の店を出して下さる。折り紙で作った綺麗なものが一杯。梅原さんが篠笛を吹いて「客寄せ」をして下さると、時には教室に入りきれないぐらいのお客さんが来てくれた。

私たちの着物姿も含めて日本文化の紹介が出来たし、(お寿司を入れずに)売上が900ドルを超え、純益 400ドルを学校に貢献出来た。大変だけど、やればそれなりに楽しい。でもやっぱり草臥れたあ・・・。


 

7時から

On 2010/10/20, in その他, by evermidori
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おだやかな夕暮れ。この春三度目の海。水色の空に浮かぶ白い月を左側に、沈もうとする夕陽を右側に見ながら、その間にある長い砂浜を、ブライトンの桟橋に向かって歩いて行った。

薄いセーターを脱いでTシャツになって、結んでいた髪をほどくと、ふわっと軽くなって、どこまでも歩けそうな気がした。オレンジ色にキラキラする波打ち際を、南へ、南へ。

月は、半月と満月の中間でやや満月に近い。好きな形。

太陽が海の中に沈む訳は無いんだけど、見ていると確かに「じゅーっ」と言って海に入って行った。

桟橋で動くシルエットの人達は、イカ釣りをしていた。

それから今度は、月を右に、海を左に見ながら、ゆっくり戻った。

まるで、マーク・ロスコーの絵のようだと思った。大きな星がひとつ。左側にばかり気を取られているうちに、月はいつの間にか金色になって少し高くなっていた。


7時から、真っ暗になる9時近くまで、気持の良い時間を過ごしたけれど、これが「夏時間」の良い点でもあり困った点でもある。あっと言う間に遅い時間になって、寝不足をしてしまう。


 

林檎の木

On 2010/10/18, in , by evermidori
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スモモに3年遅れてアンズ。アンズに4年遅れて生まれた孫娘のために林檎の木を植えた。植えて2年だから、まだ実はならないけれど、2度目の可憐な花が咲いた。表庭の門の所にある見上げるほどの林檎の木と違って、本当に幼く可愛らしい。木の回りにはセージの花とタイムの花が咲いている。

やがていつか林檎の木も孫娘も大きくなって、彼女は裸足で自分の木に登るだろうか。気に入った枝に腰掛けて赤い林檎を齧るだろうか。お婆ちゃんは木の下で「気を付けてね」なんて言いながら嬉しそうに見ているだろうか・・・。それとも風になって、茂った葉っぱと女の子のスカートを揺らしているだろうか。その子は林檎を食べて、お婆ちゃんを思い出すだろうか・・・。

 

陶芸クラブの店

On 2010/10/17, in その他, by evermidori
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セミ・アマチュアの陶芸家が作品を展示即売している店がある。普通の家がギャラリーになっているので、展示室が3部屋あり、リビングルームが事務所になっている。20人位の会員が交代で店番をして、作品が売れたら25%のコミッションを会に払う仕組みになっている。表通りからちょっと入っているし、店が開くのは土曜と日曜の午後だけなので、知る人ぞ知る店。私は興味があってよく立ち寄る。行く度に何かしら新しい作品が出ていて楽しい。素人の作品らしいところが好きだし、安い。気に入った物を見つけた時は本当に嬉しい。

気に入って買うのはジェーン・トンプソンさんの作品であることが多い。彼女のものは見て分かる場合もあるし、いいなあと思うと彼女のものだったということもある。

今日は、偶然ジェーンさんがお当番だった。「久し振りね。」「4ヶ月イギリスに行っていたの。」「イギリス生まれだっけ?」「いいえ、生まれはカシミア。」「今日はこの小さなピッチャーを頂くわ。また貴女のだったわ。」「有り難う。嬉しいわ。」「いつか陶芸をやりたい。生徒にしてね。」「良いわよ。」

いつか、いつか、何でもいつか、いつかは来るのか来ないのか、分からないから、い、つ、か。