物音で目が覚める。ガタガタガタッ、ゴトゴトッ・・・音は動いている。誰かいる!何か居る!ポッサムだろうか。
そっと起きて寝室を出ると音はピタリと止む。こっちも暫く動かないでいる。それから忍び足で薄暗がりをあちこち探すと・・・居た!玄関のガラス戸に黒い塊が張り付いている。やっぱりポッサムだ!どうしよう。電気をつけるべきかどうか迷う。下手に逃げ回ってもらっては困るし、どこかに隠れてもらってはもっと困る。忍び足で素早く部屋のドアを閉めてまわる。寝室、洗面所、リビング、ダイニング、トイレ、仕事部屋。そして最後に裏の戸を大きく開け放つ。ポッサム君はまだじっとしている。怖くて動けないのかも。
どんなふうにして追い出したか覚えていないけど、目にもとまらぬ速さで降りて来たきたかと思うと台所を一目散に走り抜け、開いている裏口から暗い庭に飛び出していった。茂みの中でガサガサッと音がして一件落着。冷静に正しく行動した自分に満足して、もういちど眠る。
今朝見ると、暖炉の辺りに灰や燠が派手に散らばっている。ははーん、やっぱり煙突から入って来たんだ。サンタみたいに。洗濯場にもトイレにも台所にもシャワールームにも行ったんだね。黒い足跡が証拠だ。台所のカウンターのグラスがひとつ割れている。
(玄関の写真を撮って、スキッチというソフトで絵を描いて場面を再現してみた。)