花笠音頭

On 2011/09/25, in 学校, by evermidori
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♪ そろたそろ〜た〜よ〜 かさ〜おどりそ〜ろ〜た〜 あき〜の〜 チョイチョイ でほ〜よ〜り〜 まだそ〜ろた〜 ヤッショーマカショ!

そろたそ〜ろ〜た〜よ〜と何度やっても揃わない。どうしても揃わないのだ。「歩きながら輪になる時は前を見て、笠は右手に持って!」もう、こんな簡単なことさえ揃わないのだから、踊りのしぐさが綺麗に揃うはずが無い。ここの子供達はとことん団体行動が下手だ。時間切れで練習不足のまま揃わない踊りを発表すると、(毎年のことだけど)綺麗だ上手だと同僚にも父兄にも誉められる。本人達は良く出来たと誇らしくさえ思っているようで、終わった後も「 ♪そろたそ〜ろた〜よ〜」と、機嫌良く口ずさんだりしている。「ああ、楽しかった」とのこと。「着物は、窮屈だけど好き」とのこと。

そうか。まあ、楽しかったのならそれで良いか。ビシーッと揃った日本の運動会などと比べる必要も無いか。とにかく終わって良かった。私は草臥れた。

 

クインス

On 2011/09/18, in , by evermidori
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10才のスモモ、7才のアンズ、3才のリンゴに続いて去年植えたクインス ( マルメロ )が、初めての花を咲かせた。昨日まで蕾だったのが今日の陽気で開いた。「やあ、新しい花だね」と蝶や蜂がさっそくやってくる。

1才半の男の子は、母親からのメールによると「・・・私も娘もあまり興味が無いのに、乗物の類いが大好きで、本もボートとかバスが出てくるととても喜んでじーっと見ています。車の運転席に座るのも大好きだし、生まれつきだとしか思えません。」とのこと。ウサギの絵や写真を見ると「ポーポー」と言うらしい。なんでウサギが「ポーポー」なんだろうと不思議に思っていたら、やっと謎が解けたそうだ。ピョン、ピョンはねると話した時に、ウサギは「ボーポー(ピョンピョン)」だと思ったのだろうと。

 

中秋の名月・続き

On 2011/09/14, in その他, by evermidori
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井伏鱒二の詩「逸題」のこと、その続き。

「われら」の中にいて「独り」酒を飲むのかしら、「万障くりあはせ」て集まる「われら」は何才ぐらいなのかしら、などというような感想をKさんに送ったところ、次のような返信が届いて、ハッとする。まさに、目からウロコが落ちる。感謝。

「われら」というのは微妙なところですが、「私」ということだと僕は受け
取りました。
われら先づ腰かけに坐りなほし
静かに酒をつぐ
などは、「私たち」では据わりが悪い感じですね。
「われら」が「私」を意味する例は沢山あります。
「おいら」は「俺ら」の変化したものでしょうが、こっちはもう完全に
「私」の意味ですね。

なるほど、なるほど、「われら」は「私」だったのか。そうか。「私」のほうが、もちろんずっと良い。熱く寂しくしみじみとした感じが濃くなるし「万障くりあはせる」こともよく分かる。この詩がもっと素敵になったことも、教えて頂いたことも、とても嬉しい。
 

いちご だいふく

On 2011/09/14, in 学校, by evermidori
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A: おなかが ぺこぺこ。
B: おちゃをのんで、おかしをたべて。
AB: いただきまーす。
A:  うーん、おいしい!これはなんですか。
B:  いちご だ、い、ふ、く。

A:    おいしーい!

5年生のちょっと長いスキットの最後を、こんなふうに作った。がんばって覚えてくれたので、皆で苺大福を作って食べることにした。餅米の粉と砂糖を水に溶いて蒸籠で蒸している間に、生徒達ははしゃぎながら苺を餡に丸く包んだ。餡は私が前の晩に作っておいた。さて、蒸し上がった熱いブヨブヨしたものを片栗粉の上に広げると、「え、これナーニ?」と驚きの声があがる。少し冷して、ちぎって、包み方のお手本を見せる。手を粉だらけ(または餅だらけ)にして生徒達が作った大福は普通の2倍以上の大きさになった。「いただきまーす!うーん、おいしーい!」と皆(ひとりを除いて)喜んで食べた。「お母さんに見せる」「弟に分けてやる」などと、半分をラップに包んで持ち帰った生徒もいた。

豆はたいてい、スープやサラダなど甘くない料理に使われるので、小豆の甘いアンコは珍しかったようだ。気に入って貰って良かった。


 

中秋の名月

On 2011/09/14, in その他, by evermidori
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Kさんへのメールに「ゆうべは満月」と書いたら、「昨夜は日本も中秋の名月。まん丸の月を見ました。」という返信があり、井伏鱒二の詩を教えて下さった。

「逸題」

今宵は中秋名月
初恋を偲ぶ夜
われら万障くりあはせ
よしの屋で独り酒をのむ

春さん蛸のぶつ切りをくれえ
それも塩でくれえ
酒はあついのがよい
それから枝豆を一皿

ああ 蛸のぶつ切りは臍みたいだ
われら先づ腰かけに座りなほし
静かに酒をつぐ
枝豆から湯気が立つ

今宵は中秋名月
初恋を偲ぶ夜
われら万障くりあはせ

よしの屋で独り酒をのむ

月明かりの中の影絵芝居のようだ。表面のことが淡々と書いてあるのに(あるから)しみじみとしたものを行間に感じる。「われら」の中にいて「独り酒」を飲むのか。なるほど。「初恋の人」じゃなく「初恋」を偲ぶんだ。そうだろうなあ。「万障くりあはせ」て集まる「われら」は、何才ぐらいだろう。いろいろなことを思って暫く時間を忘れた。それから、「勧酒」の他は恐らく何も読んでいない「厄除け詩集」を開いてみた。本を読む為に早く退職したいと、また思った。

 

白い薔薇

On 2011/09/12, in , by evermidori
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美しさを誇っているような豪華な薔薇は、敬遠してしまう。薔薇は小さいのが好きだ。これはそれほど小さくは無いけれど、白い一重の花びらに黄色の蕊が綺麗で、香りは甘く上品で、特別に気に入っている。でも刺はかなり鋭い。花が終わると赤い実(ローズ・ヒップ)が出来る。その実も刺でいっぱいだ。

年に一度しか咲かないこの薔薇を見る為に、ついつい何度も庭に出る。眺めて、匂いをかいで、蕾を数える・・・まだまだたっぷり100以上はある。どうか急がないで、ゆっくり咲いて欲しい。

10年ほど前に、生徒達が(園芸の授業で)挿し木して殖したものを貰ってきた。ぐんぐん育ってパゴラの上のほうまで伸びていたのに、下手な庭師さんが剪定してからは、新しい枝が横に広がるばかりで上に伸びなくなってしまった。Kさんの家の庭にも同じ薔薇が咲くと聞いて、名前を調べた。ロサ・レビガータ(Rosa Leavigata) という野生に近い薔薇で中国の原産だとか。日本語名は「ナニワノイバラ」になっている。


 

蕎麦粥

On 2011/09/10, in 食べ物, by evermidori
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花という花が、わぁーっと吹き出すように咲いているのに、今日は雨が降って寒い。蕎麦粥を作って洋梨と一緒に食べた。塩味のお粥とオーブンで焼いた梨の甘みが(変な取り合わせだけど)美味しかった。

何を食べたいかと聞いてくれる人も作ってくれる人もいないので、食べたいものを自分で作るわけだけど、いつ、何を、何故食べたくなるのか自分でも分からない。温かいものならオートミールでもお茶漬けでも良いはずなのに、今朝は何故か「蕎麦粥」が食べたかった。


 

黄土

On 2011/09/07, in 学校, by evermidori
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一年生が日だまりで遊んでいる。近付いて見ると、レンガ色の石(黄土)の欠片を擦って粉にして、水で溶いて、絵の具のようなものを作っている。黄色がかったもの、赤っぽいもの、焦げ茶。その色を紙に塗ったり自分の手を染めたりしている。綺麗だ。良い色だ。アボリジニの絵画そのもだ。

 

ドーイタシマシテ

On 2011/09/07, in 学校, by evermidori
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習った日本語を使ってみたい一年生が小さい花を摘んで来て、「 ハイ、ドーゾ」と手渡してくれる。「まあ、ありがとう。これは黄色ね。」と、喜んでボタン穴に挿すと、「ドーイタシマシテ!」と大きな声で得意そうに言う。「もう覚えて使えるのね。」と誉めると、他の子も花を持って来る。「ハイ、ドーゾ」「ありがとう、これは赤。」「ドーイタシマシテ!」・・・その繰り返しで、私の上着は花盛り。

 

いよーっ ポン!

On 2011/09/05, in 学校, by evermidori
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中休みに、たまたま受付のところを通りかかると、今日の午後アデレードを発つことになっているという大倉正之助さんを案内して、尚子さんが来ていた。「あら、尚子さん!」「緑さん!ご紹介します。こちらは・・・・」「初めまして、ようこそ。」と挨拶をした途端に閃くものを感じて「生徒達にちょっとでも演奏を聴かせて頂けませんか?」と切り出す。「え、今からですか。」「はい、突然で申し訳ありませんがお願いします。やって頂けるなら生徒たちを集めます。出来たばかりのホールもあります。」「そうですか、それではやりましょう。車に鼓を持って来ています。」「衣装も着て頂けますか。」「わかりました。これもご縁でしょう。着替える場所がありますか。」「あります、あります。こちらへどうぞ。」

会議中だったエギュゼキュティヴたちに、「済みません、お邪魔します!あの、こうこうこういう訳で・・・・この機会を逃すのは勿体無いです。」と説明して、大至急、全校生徒を集めて貰うことにした。1年生から12年生までの授業が全部キャンセルされた。

「いよーっ!ポン、ポン!やーっ!ポン、ポン!いやーっ、やっ、やっ、ようーっ、ポン、ポン!」30分後には、重要無形文化財認定保持者の力強い声と鼓の音が、ホールいっぱいに響き渡った。海外公演にも慣れておられサービス精神もある方で、質疑応答や子供達の鼓体験までやってくださった。

偶然の成り行きと、大倉さんの心意気に感謝。臨機応変で柔軟な学校の対応も良かった。この学校もまだ捨てたものではない。

アデレードで「オズ・アジア」というお祭りが行われている。アジアのアーティストたちがやってきて音楽や踊りを見せてくれる。日本からは大鼓奏者の大倉正之助さん、パントマイムのCAVA、ダンサーの森山開次さん、映画10本,日本刺繍の展示など。



「 息を吸って、吐いて、吸って、止めて、ポン、と打つ!」

「打つ人によって、それぞれ違った音が出るんです。自分の音を聴いて。」