『職業としての小説家』

On 2017/11/26, in , by evermidori
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この本の中に、「僕にとってはエッセイというものは、あえて言うならビール会社が出している缶入りウーロン茶みたいなもので、いわば副業です。」「本当においしそうなネタは次の小説=正業のためにとっておくようにします。」と書いてあって、ちょっと意外だった。ふうん、小説とエッセイでは力の入れ方が違うのか。でも私はエッセイが好きだ。

『遠い太鼓』や『走ることについて語る時に僕の語ること』や『やがて哀しき外国語』や『村上ラヂオ』などを読んだけど、この『職業としての小説家』は特に面白かった。村上春樹の考え方や生き方が興味深い。

デビュー作の『風の歌を聴け』がいつどんなふうにして書かれたかを知って、さっそく読み返している。この小説は「副業」として書かれたのかな? だってその頃はまだ、お店の経営が「正業」だったのだから。

 

『ディスクリート・ヒーロー』

On 2017/11/26, in , by evermidori
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有りそうで無さそうな物語が予測できない方向に展開する。ちょっとスリラーのようで、喜劇でもメロドラマでもある。次はどうなるかと興味を持って読み進んで最後まで面白かったけれど、引っ張り回された挙句、な〜んだと肩透かしを食ったような気がした。

マリオ・ヴァルガス・ロサという人は、南米を代表する有名な作家なんだそうだ。読書会のテキストじゃなかったら出会わなかっただろうから、その人の本を一冊でも読んでみたのは嬉しい。
     
 

雨樋

On 2017/11/24, in , by evermidori
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窓を背にして本を読んでいると、ざーっと強い雨が降って来た。素敵だ!このぐらい強く真剣な雨には胸がキューンとして痺れてしまう。しかしそれにしても、雨音がちょっと近過ぎないかしら・・・?

傘をさして裏に出てみると、あーら、あら!雨樋が錆びて穴があいているんだ。いくつもの穴から勢い良く雨が吹き出している。枯葉が降り積もって腐葉土が溜まって雑草が生えているのは知っていたけど、う〜ん、この雨樋を取り替えなくちゃならないのかしら。ボロ屋の応急手当は追いつかない。

 

ジャカランダの並木道

On 2017/11/24, in その他, by evermidori
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私の家の前のキャサリン通りもそうだけど、この辺りにはあちこちにジャカランダの並木道がる。咲き始めの時より、満開の時より、あるていど散った今が見頃だ。アスファルトに広がった紫も美しい。

花は垂直に散る。スーッと縦にまっすぐ線を引くように散る、というよりは落ちる。ひとつ、またひとつ、スーッ、スーッ、スーッと、空間に線が引かれるのを立ち止まって見ている。

雨上がりや夕焼けの時は紫の色が濃くなって幻想的だ。もう通信簿を書かなくてもいいので、この花を見て急かされることもない。急かされない代わりにちょっと寂しい(かもしれない)。