オリーブ油

On 2010/06/30, in 食べ物, by evermidori
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6月半ばになると、オリーブ油のことが気になる。そろそろ今年のオリーブ油が搾られる頃だ。オリーブ油を作っている業者に問い合わせると、同じような答えが返って来る。「搾ったけれど、瓶詰めするのは9月ごろだね。すっかり澱が落ち着いて透明な琥珀色になってからだ。」と言って売ってくれない。でも、どうしても絞りたてのまだ落ち着いていないものが欲しい。緑がかった色と、プン!と口から鼻に抜ける緑の匂いが好きだから。強過ぎると言って嫌いな人も多いけど。

アデレードの丘陵地帯にある「マウント・トレンズ オリーブ園」は、家族経営でオーガニックの美味しいオリーブ油を作っている。この数年、奥さんのバーナデットさんに無理を言って、特別に絞りたてを瓶詰して貰っている。

パンにオリーブ油を少し浸して、それだけでも美味しいけど、ドゥッカ(砕いたナッツとスパイスを混ぜたもの)を付けて食べたほうがもっと美味しい。オリーブ油の中にバルサミック・ビネガーか、とろりとしたバルサミック・グレイズを入れることもある。コレステロールはゼロでもカロリーが高いから、こんなふうにして食べるのはほんの時たまで、たいていはサラダや他の料理に使う。

ブログを始めてはみたものの、何だか食べ物のことばかり書いているような気がする・・・。

 

緑のトマト

On 2010/06/29, in 食べ物, by evermidori
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八百屋さんに珍しく緑のトマトが出ていたので、トマト1キロに林檎2個とレーズンを入れて、チャツネを作った。スパイスの分量等はいい加減だけど美味しく出来たので、瓶に詰めてラベルも作った。パンに載せたりカレーと一緒に食べたり。

冬休みで気持が仕事から離れているからだろうか、何をやっても楽しい。



 

暖炉

On 2010/06/28, in その他, by evermidori
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15年住んでいるこの家が建ったのは1940年。古い家だからいろいろ問題がある。乾いた夏には壁に大きなヒビが入るし、(木枠の窓を上下に動かすロープが切れて)開かない窓もある。下水の土管の割れ目に(水を求めて)木の根が伸びて入り込むと流れが詰る。屋根の瓦の下にはポッサムが住んでいて夜に出て来ていたずらをする。電気の配線だけは「危険だ」と言われ、新しくやり直して貰った。

それでも私は(負け惜しみで無く)このボロ屋が結構気に入っている。二重のレンガでどっしり出来ているし、天井が高いし、林檎の木があるし、それに、何よりもこの暖炉があるからだ。雨の多い冬に暖炉の前で過す時間は素晴らしい。パチバチとユーカリの薪が燃える音と匂い。ゆらゆらする炎の色と暖かさ。ワインを飲んでも、本を読んでも、ラップトップを膝に置いても、音楽を聴いても、お喋りしても、暖炉の前だと2倍楽しい。たまに床に寝袋を広げて、電気を消して、火が燃えるのを聞きながら瞼の裏に感じながら眠るのは、わくわくキャンプの気分だ。

しかし、暖炉を楽しむ為には、何度も薪を買いに行って、玄関に積み上げて、暖炉の傍まで持って来て・・・焚く時は新聞紙を丸めて細い木の上に大きな木を載せて・・・火が消えないように見守っていなければならないし、灰の掃除もしなければならない。なかなか大変な仕事だから、最近は暖炉の空間にガスや電気のストーブをはめ込む人が多い。でも私はそんなことはしたくな〜い!暖炉を諦めるくらいなら、小綺麗なアパートに引っ越した方がマシだと思う。




 

マートル茶

On 2010/06/28, in 食べ物, by evermidori
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大好きなレモングラス、レモンバーム、レモンバービーナ。それよりももっとレモンの香りがする「レモン・マートル」を、今までどうして知らなかったのか!

「レモン・マートル」の葉をちょっと揉んで嗅ぐと、強いレモンの香りがする。「アニシード・マートル」は料理に使っているアニスの香り。(アボリジニの人たちは、どちらも昔から料理にも薬にも使っていたそうだ。)そのレモン・マートルと、アニシード・マートルを合わせて、”Two Myrtles Tea” というお茶を作っている人からお茶を買った。大変いい感じだ。

写真の左が「レモン・マートル」で、右が「アニシード・マートル」、似ているけど香りが違う。



 

“Mother and Child”

On 2010/06/27, in 映画, by evermidori
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2学期が終わった!人形劇団「ガウチョス」の公演や、通信簿書きや、いろいろな会議で、とても忙しい学期だった。

夕方、図書館のケリー先生がやって来て、一緒にスープとサラダとパンの簡単な夕食を食べた後、雨の中をTrack Cinemaへ出かけた。  監督は Rodrigo Garcia主演は Naomi Watts と Annette Bening のハリウッド映画。楽しんだけれど、四つ星かなあ。是非観なければならない映画では無いと思う。

14才で生んだ娘を里子に出した、そのことから自由になれない50代の女性。母親を知らない孤独な若い弁護士の女性。子供が出来なくて貰い子を渇望する黒人女性。三人の女性の(母親としての、子供としての、女としての)人生が、いろいろと面白く絡み合って物語になっている。テーマは母と子の絆だろうか。母性本能だろうか。子供を持たない女性が見たらどういう感想を持つだろうか。それにしても、女性たちの傍にいる男性たちの役割が大きいなあと思った。

Motherandchild

 

卒業プロジェクト(2)

On 2010/06/26, in 学校, by evermidori
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アイスリンが監督した “Raft of the Medusa”という劇を観た。彼女の卒業プロジェクトは、二つの劇を監督して発表することで、これは最初のひとつ。脚本を選んで、出演者を募って、練習と演技指導を重ね、衣装も舞台装置も全部やって公演するのは、高校三年生には大変なことだ。アイスリンは良くやったと思う。13人の生徒達の演技は上手だったし、実話に基づいたという George Keiser 作のお話も興味深かった。

第二次世界大戦中ヨーロッパからカナダへ向かう船が沈没。救命ボートで脱出した13人の子供達が海のただ中に放り出され、助かる当ても無く7日間漂流する、そのボートの中でいろいろなことが起こる。一人の女の子が「13人で水や食べ物を分かち合うのは不吉だから私たちは助からないだろう。誰かが犠牲にならなければならない。」と、恐ろしいこと主張する。年上の少年が必死で反論する。が、結局、最年少の弱い少年が、密かに海に投げ込まれたのだ。強く反論した少年は、男の子が犠牲として投げ込まれたことを知ってショックを受け、怒り、傷つく。そして最後に、ヘリコプターがボートを見付けて全員を救助する時に、救助されるのを拒んでひとりボートに残る・・・。

プロジェクトをやる12年生は皆そうだが、アイスリンも多くの人たちに助けられている。相談に乗ってくれるメントール、ボートを作ってくれた大工さん、出演してくれた生徒達、照明や音響をやってくれた生徒、練習が終わるまで毎回居残ってくれた先生、励ましてくれる家族、寒い夜に発表を見に来てくれた会場一杯の生徒たち、教師たち、父兄たち。
そして何よりも、ひとつのプロジェクトに取り組むこんな機会を与えられたことが、どんなに恵まれていることかと、羨ましく思う。


 

川本喜八郎

On 2010/06/25, in 映画, by evermidori
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だいぶ前に学校に来られたお客さんが、練習用の三味線を置いて行って下さった。私がそれをうまく授業に使えないので、何となく「撫子教室」の飾りになってしまっていた。いつの間にか弦も一本切れていた。それを秋一君が直して、教本を見ながら「ベン、ベン、ベベン!」と鳴らしてみた。

その「べン、ベン、ベベン!」という三味線の音を聴いた途端、ハッとして、だい ぶ前に見て感動した川本喜八郎の人形アニメーション「鬼」を思い出した。急いで DVDを探すと、あった、あった。数年振りに「鬼」を観る。出だしから強烈に視覚に聴覚に訴えて来る。たちまち緊張して引き込まれる。ああ、やっぱり、三味線の音が素晴らしい!尺八も深く心に響いて沁みてくる。人形が綺麗で、細やかな動きが感情をよく表現している。 背景の大和絵も何て美しいのだろう! 高度な総合芸術!日本の美しさ!

「鬼」だけを見るつもりだったのが、続けて「道成寺」も「火宅の 人」も「不射の射」も見てしまった。どれも良い。物語も、人形も、音楽も、絵も、語りも・・・最高だと思う。

 

フェネルと牡蠣のスープ

On 2010/06/25, in 食べ物, by evermidori
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マギー・ビアは、バロッサバレーで「フェザント・ファーム」というレストランを経営していたシェフだ。二度行ったことがある。レストランは今はもう無いけれど、マギー・ビアのソースやパテやジャムやピクルスなどがグルメの店で売られている。そのマギーの料理の本を、友達のAさんが誕生日にプレゼントしてくれた。写真が豊富で、この地域で採れる食材を使った美味しそうなレシピが沢山あって、眺めているだけで楽しい。

でも、眺めるだけでなく何か作ってみよう! ”Fennel Soup with Fresh Oysters” はどうかしら。フェネルのスープは食べたことが無いし、生牡蠣を入れるなんて美味しそう。冬はスープが良い。
まず、エシャロットとニンニクを刻んでオリーブ油で炒める。
ザクザク切ったフェネルの球根を入れてさらに軽く炒める。
魚の骨で取ったスープストックを入れて、フェネルが軟らかくなるまで煮る。
ブレンダーでクリーム状にして、さらに漉して滑らかにする。クリームを加える。
塩胡椒して、生牡蠣とチャービルを入れて、すぐに食べる。

まあ美味しかったけど、フェネルの独特の香りが消えてしまったのが残念。え?これがフェネルのスープ?言われなければ、ジャガイモかカリフラワーのスープかと思ってしまう。でも、やってみないことには分からないので、いい勉強でした。フェネルの球根は生に限ると思います。



 

“The Secret in Their Eyes”

On 2010/06/20, in 映画, by evermidori
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「週末だ。9時15分からの映画に間に合う、よし行こう!」と、9時に家を飛び出した。Track Cinema まで車で12分だ。映画は、こんな風に突然思い立って観に行くことが多い。

実はどんな映画か詳しくは知らないまま観に行ったのだけど、ずっと集中して気持がまったく逸れなかった。必死で英語の字幕を読んでいたせいもあるが、映画が、私を2時間惹き付け続けたからだ。

“The Secret in Their Eyes (瞳の奥の秘密)” は、スペインとアルゼンチンの合作映画で、Juan Jose Campanella という監督の作品。刑事裁判所の仕事を退職した男が、自分が関わった25年も前の事件を題材に小説に書き始める。事件のその後を追ってついに経緯(ショック!)を突止める。そして小説も書き上げる。最後に、25年間秘かに愛し続けた上司の女性(判事?)に愛を告白するという、サスペンスとパッションの、過去と現在の物語だ。

犯罪と刑罰、妻を殺された男と殺した男の25年間、25年間も続いた秘めた愛・・・いろいろなことを考えさせられ、満足感が残る。もう一度観るかもしれない。

トルストイの晩年を描いた “The Last Station” と、この “The Secret in Their Eyes” と、良い映画を2本続けて観た。


 

冬祭り

On 2010/06/19, in 学校, by evermidori
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春、夏、秋、冬のお祭りは、シュタイナースクールでは大切な行事になっている。
冬祭りは出来るだけ冬至に近い日に予定され、小学生はクラスごとに工夫を凝らしたランタン(提灯)を作り、冬の詩や歌を習い、冬のお話を聴いてお祭りの日を楽しみに待つ。
日本語の授業でも、例えば「笠地蔵」のお話をしたり、「冬」という字をお習字したり、「雪やこんこ、あられやこんこ 降っては降っては・・・」という歌を教えたりする。

今年は6年生のガラスのランタンが特に綺麗だった。四つの面にアボリジニの(点で描いた)絵がある。オーストラリア特有の蛇やカエルの絵もある。それぞれ個性的でどれもいい。中にあるローソクに火を灯すと絵が明るく浮かび上がって綺麗だ!

冬祭りの当日、小学生は午前中で授業が終わり、いったん家に帰って、4時半に父兄と一緒にまた学校へ来る。各クラスで、父兄が用意したスープとパンを食べて、冬のお話を聞いたり詩を読んだり歌ったりする。高校生の授業は普通通り3時20分まである。その後それぞれのクラスでスープとパンを食べ、4時半から5時半まで冬の集いがある。歌や自作の詩の朗読やシェイクスピアの短い劇などがあって楽しい。

5時半になると外はもう暗い!小学生も高校生も教師達も父兄も、しっかり暖かい服を着て、暗くて寒い校庭に集まる。外灯の無い夜は本当に暗いから誰が誰だかよく見えない。声を聞いた子供が、「あれ!あれ?Midori ?  こんばんは。」なんて言っている。今年は6年生のユリズミーがあり、いよいよ全員がそれぞれのランタンに灯をつけると・・・・真っ暗な芝生の運動場は200個以上の明かりでそれはそれは綺麗だ。それから、小学生は学校の回りの小径を一列になって歩く。真っ暗な中で子供達が歩くと、持っている明かりが揺れて、明かりの列が揺れながら細く長く進んでいく。回りの木々や茂みは真っ黒だ。空には小さな三日月が雲の切れ目から覗いたり隠れたり。暗い道を黙々と、お喋りしながら、キャッキャと笑いながら、進む。私は四年生と一緒に歩いた。オーバーを着て毛糸の帽子に手袋とマフラーをして。

一回りして帰って来ると、太鼓の音が校庭の真ん中から聞こえる。ドンドンドンドン、ドドン、ドドン、ドドドン、ドン、ドドドン、ドン、ドン、ドン、ドン・・・・見えないから余計に響いて聞こえる。そして最後は8年生の火の踊りだ。両手に持った松明がぐるぐる回り、輪になり、離れ、右に左に中に外に、太鼓の音に合わせて動く。見ている皆は手拍子を取ったりしている。やがて太鼓の音が止み、松明の火が消されると、生徒達は名残惜しそうに、父兄と一緒にそれぞれの家に帰って行く。寒い夜に何だか暖かい気持で帰って行く。「おやすみ」「良い週末を」「また月曜日にね」「さようなら」

6年生の教室で、冬祭りを待つランタン