春、夏、秋、冬のお祭りは、シュタイナースクールでは大切な行事になっている。
冬祭りは出来るだけ冬至に近い日に予定され、小学生はクラスごとに工夫を凝らしたランタン(提灯)を作り、冬の詩や歌を習い、冬のお話を聴いてお祭りの日を楽しみに待つ。
日本語の授業でも、例えば「笠地蔵」のお話をしたり、「冬」という字をお習字したり、「雪やこんこ、あられやこんこ 降っては降っては・・・」という歌を教えたりする。
今年は6年生のガラスのランタンが特に綺麗だった。四つの面にアボリジニの(点で描いた)絵がある。オーストラリア特有の蛇やカエルの絵もある。それぞれ個性的でどれもいい。中にあるローソクに火を灯すと絵が明るく浮かび上がって綺麗だ!
冬祭りの当日、小学生は午前中で授業が終わり、いったん家に帰って、4時半に父兄と一緒にまた学校へ来る。各クラスで、父兄が用意したスープとパンを食べて、冬のお話を聞いたり詩を読んだり歌ったりする。高校生の授業は普通通り3時20分まである。その後それぞれのクラスでスープとパンを食べ、4時半から5時半まで冬の集いがある。歌や自作の詩の朗読やシェイクスピアの短い劇などがあって楽しい。
5時半になると外はもう暗い!小学生も高校生も教師達も父兄も、しっかり暖かい服を着て、暗くて寒い校庭に集まる。外灯の無い夜は本当に暗いから誰が誰だかよく見えない。声を聞いた子供が、「あれ!あれ?Midori ? こんばんは。」なんて言っている。今年は6年生のユリズミーがあり、いよいよ全員がそれぞれのランタンに灯をつけると・・・・真っ暗な芝生の運動場は200個以上の明かりでそれはそれは綺麗だ。それから、小学生は学校の回りの小径を一列になって歩く。真っ暗な中で子供達が歩くと、持っている明かりが揺れて、明かりの列が揺れながら細く長く進んでいく。回りの木々や茂みは真っ黒だ。空には小さな三日月が雲の切れ目から覗いたり隠れたり。暗い道を黙々と、お喋りしながら、キャッキャと笑いながら、進む。私は四年生と一緒に歩いた。オーバーを着て毛糸の帽子に手袋とマフラーをして。
一回りして帰って来ると、太鼓の音が校庭の真ん中から聞こえる。ドンドンドンドン、ドドン、ドドン、ドドドン、ドン、ドドドン、ドン、ドン、ドン、ドン・・・・見えないから余計に響いて聞こえる。そして最後は8年生の火の踊りだ。両手に持った松明がぐるぐる回り、輪になり、離れ、右に左に中に外に、太鼓の音に合わせて動く。見ている皆は手拍子を取ったりしている。やがて太鼓の音が止み、松明の火が消されると、生徒達は名残惜しそうに、父兄と一緒にそれぞれの家に帰って行く。寒い夜に何だか暖かい気持で帰って行く。「おやすみ」「良い週末を」「また月曜日にね」「さようなら」
6年生の教室で、冬祭りを待つランタン