母に似てきた

On 2011/10/31, in その他, by evermidori
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母の着物を着て、母の帯を締めて、母と同じひっつめ髪にした自分の写真を見ると、まるで母がそこに立っているみたい。私は子供の時から父に似ていると言われてきたけれど、最近とても母に似てきたと思う。小さくなった目や皺くちゃになった手の形だけでなく、何かをする時の手の動かし方なんかも「あれ!」と思うほど母に似てきた。

「お嫁さんを貰う時は、そのお母さんを見て決めなさい」とかなんとか聞いたことがある。いくらか当っているからそんなこと言うのかもしれない。女はいずれ母親に似るものかしら。

 

日本の店

On 2011/10/31, in 学校, by evermidori
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梅原さんの折り紙コーナーや塩田さんの書道コーナーもあって、「スプリング・フェア」の日本の店は賑やかだった。多くの(特に外部からの)お客さんに「撫子教室」や日本の物を見て貰えたし、あがった収益もまあまあで満足。

卒業生や卒業生の父兄が何人も来てくれたのが嬉しかった。大人なった生徒達はそれぞれに素敵で、連れて来た子供が生徒にそっくりだったりすると不思議な気がした。「わあ、久し振り!どうしているの?」「日本に行ったよ」「もうすぐ日本に行く」「先週フランスから帰ってきた」「イギリスに住んでいる」「この教室いいねえ!」「こちらはフィアンセ」「スピーチ・セラピストをしている」「ずっと演劇をやっていた」「先生をしている」「Phd. を始める」etc. etc.  生徒達も母校が懐かしいのだと思う。しかし30代になった生徒達を知っている職員はもう5−6人しか残っていない。


 

日曜日ごとに開かれる「ファーマーズ・マーケット」が大好きだ。野菜や果物は新鮮だし、オーガニックの店も多いし、ぜーんぶ地元のものばかり。頻繁に行くので、年会費62ドルと駐車券35ドル50セントを払って今日から会員になった。会員になると何でも10%引きで買える。駐車券は12回行けば元が取れる。会員証を首にかけてウキウキ、何だかファンクラブにでも入ったような気分だ。

今日の収穫は初物のピーチリンと苺。葉っぱを見れば今朝採れたことが分かる。地域で採れたものだけ、ということは、本当に季節のものだけということ。

 

Midnight in Paris

On 2011/10/24, in 映画, by evermidori
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パリに恋をしたアメリカ人のシナリオ作家が、夜な夜なタイムスリップして憧れの1920年代のパリに遊びに行く。そして、ピカソ、ヘミングウェイ、ダリ、ロートレックなどの芸術家達に会ったりして夢のような時間を過ごしては、また現在のパリに戻ってくる。

行ったことの無い(しかし写真や映画で少しは馴染みのある)パリの街が、素敵にたっぷり映し出される。愛し合っているけど感覚の違う婚約者同士の会話や行動は、感じの良いコメディーだ。彼女は買物と観光が好きで、彼は「雨の降っているパリが一番良い」と言うロマンティスト。やがて、雨に濡れながら散歩するのが好きな女性との出会いが待っている・・・。

ウディ・アレン監督の最新作は、期待通りとっても愉しかった。主演のオーウェン・ウィルソンが、雰囲気も演技もウディ・アレンに実に似ていて可笑しい。観ている間ずっと良い気持でニコニコしている自分に気が付いた。

気に入っている映画館が4つある。一番近いのは3分で、遠いのでも15分で行ける。晩ご飯を食べてから急に思い立って家を出ると、20分後には暗い映画館の椅子に座って寛いでいる。

 

オペラ座の怪人

On 2011/10/22, in 映画, by evermidori
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ミュージカルを録画した「映画」だけれど、充分過ぎる位に楽しんだ。ミュージカルそのものは勿論、始まる前の劇場の様子も良かったし、終わった後のカーテンコールの場面も素晴しく、感動しているうちに(20分の休憩を入れての)3時間半がたちまち過ぎてしまった。

生だったらもっと良いに違いない。しかし劇場では(特にC席からは)見えない細かな演技や表情やオーケストラの演奏者たちの様子もクローズアップで見せてくれて、映画には映画の良さがあると思う。こういうのこそ3Dで観られたら良いのに。

「オペラ座の怪人」は、幾度も映画やテレビ映画やミュージカルになり、内容も原作を離れていろいろ変えられているらしい。このミュージカルは、オペラの女性歌手と恋人とファントムの辛く切なく怪奇な愛の物語だ。可哀相なファントムに同情してしまう。



 

バクラヴァ

On 2011/10/16, in 食べ物, by evermidori
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バクラヴァは好きなお菓子の一つ。サクッとして甘くて香ばしくてリッチだ。幾重にも層になった薄いパイ皮に、細かく砕いたナッツ(ピスタチオ、胡桃、アーモンド、ヘーゼルナッツなど)が折り込んであって、焼き上がったものに蜂蜜入りの濃いシロップがたっぷりかかっている。ローズウォーターやシナモンの香りも良い。もともとはトルコのお菓子だったのが、人気があって中近東一帯に広がったとか。

アデレードではこの三種類ぐらいしか見ないけど、シドニーにはバクラヴァの専門店があって感激した。形も大きさも中身もいろいろに違うバクラヴァが店いっぱいに並んでいて、どれも美味しそう。好きなものを好きなだけ選んで、1キロで幾ら(22−25ドル)というふうに、重さで買うのだ。

 

困った時の友だち

On 2011/10/15, in その他, by evermidori
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チケット、カメラ、ケータイ、お寿司・・・忘れ物は無い。さあ出掛けよう。 ガチャン。自動ロックのドアを閉めて車に向かう。あれっ?無い!もしかして・・・あーあ、あーあ、またやってしまった!車の鍵も家の鍵も家の中だ。悔しいなあ。無駄と分かっていながら一応ドアを引いてみる愚かしさ。裏口も勿論バッチリ鍵がかかっている。ダメだ、どうしよう。落ち着いて。まず遅れることを連絡しなくちゃ。それからタクシーを呼ぶのよ。間違いは誰にだってあるわ。でも同じ間違いを6回も7回も繰り返しているよね。分かってるけど、今は自分に呆れてる場合ではないの。

ところが、泣き面に蜂というか悪いことは重なるというか、バッテリーが切れていて携帯が使えない。お向かいに電話を借りに行くと、「Midoooori、またやったの?予備の鍵をどこかに隠しておかなかったの?」と優しく言いながらもデニースは流石に驚いている。「隠しておいたんだけどね、使った後で戻さなかったものだから・・・ごめんなさい、電話を貸してね。」マレイカに電話して、ちょっと遅れるけどタクシーで駆けつけるから待っていて欲しいと伝える。

しかし悪いことはもっと重なる。金曜日の夕方はタクシーの予約が殺到するらしく、待っても待っても電話が繋がらない。繋がってもすぐには来ないだろう。デニースが同情して「何処まで行くの?送って行ってあげるわよ。」と言ってくれて、私は「申し訳無い」と「有り難う」を繰り返しながらマレイカの家まで送って貰う。そしてマレイカの車でハワードも一緒に、無事間に合ってコンサート会場に行く。

鍵のことはすっかり忘れて、キャバレー形式のコンサートはとっても楽しかった。テーブルに座って、持ち込んだワインを飲みながら、美味しいチーズやクラッカーやお寿司を食べながら、いろいろな歌や演奏を聴いた。帰りはハワードとマリヨレーンが、息子夫婦の家まで(預けている鍵を貰いに)送ってくれて、「いいのよ、無事に帰り着くのを見届けたいのだから」と言って、今度は違う方向へ私の家まで送り届けてくれた。彼等はそれから自分の家に辿り着いたはずだけど、結局一時間近くも余計な運転をさせてしまった。

立場が逆だったら喜んでやってあげることでも、やって貰うと恐縮してとても心苦しく感じてしまう。私は素直じゃないのかな。しかし助けて貰うしか無い時もあって、そんな時は隣人や友人の親切が身にしみて有り難い。

塀のことろにハニーサックルが咲いていて、近くに行くといい匂いがする。

 

ノルウェイの森

On 2011/10/12, in 映画, by evermidori
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どこかで見たことがあると思った女優さんは、「バベル」という映画で聾唖 の高校生役をやった人だ。直子も緑もワタナベ君も、雰囲 気があって演技も上手で、何と言っても若くて綺麗。

あまり抑揚をつけず、淡々とした静かな喋り方が印象的だ。耳元で聞こえた声が消えた後も、(村上春樹の)言葉が、ちょっとの間そこに残る感じだ。台詞の行間が聞こえるような気もする。そんなふ うに喋らせたのは監督(トラン・アン・ユン)なんだろうか。感心する。

風が吹いている、あの広い 広い緑の草原は何処にあるんだろう。激しく波の 打ち寄せるあの海岸は何処なんだろう。雪も雨も美しい。自然の季節を背景にして描かれる、20才のひたむきな心。誠実な愛。1969年の、あの頃の・・・。

月曜日に新学期が始まったら、11年生と12年生に是非観るように勧めよう。

 

節約?

On 2011/10/11, in その他, by evermidori
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13ドルの年会費を払って「60才以上のゴールド会員」になると、13ドルの映画が10ドルになる。4回見に行けばほぼ元が取れて、5回目は2ドル、6回目からは3ドル、10回で17ドルの節約になる。入会後と誕生日に無料券が貰えるけれど、(有効期限があるから)ちょうどその時に見たいのをやってるかどうかは分からない。無料券を使うか、少なくとも5回見に行くかしなければ、節約するつもりで払った年会費が「無駄遣い」になってしまう。


 

歪み

On 2011/10/04, in その他, by evermidori
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世界地図、深い海、嵐になりそうな空模様、ボールの中の不安な世界・・・それだけだったら買わなかったかもしれない。僅かな歪みに気が付いたから買った。歪みが、不安定な雰囲気を強めているようで面白いと思ったから。

測ってみるとやっぱり、直径が(26.6 ー27.4)8ミリも違う。10センチの高さにも4ミリほどの差がある。歪んだのは良いけど歪めたのはダメなんだ、と、柳宗悦の本で読んで感動したことを思い出す。ローランドさんが歪めたりするはずは無い。

器なんか、もうそんなに要らないのに。もっと身軽になりたいはずのに。分かってる、分かってる。使っていないものは全部、今月末の学校のバザーに出してすっきりするつもり。