ラーラ・セントジョンという人の「チゴイネルワイゼン」と「カルメン幻想 曲」の演奏を、コンサートホールの前から三列目の席で聴いた。コンサー トを聴きに行くのは久し振り。チゴイネルワイゼンを聴 くのは何年振りだったろう・・・。美しい彼女の体がしなって長い髪が揺 れたと思うと、懐かしい旋律が高く切なく響き渡った。一瞬、回りの景 色が消えて涙が出そうになった。バイオリンの演奏は情熱的で、日本人の女性がコンサート・マスターを務めるアデレード・シンフォニー・オーケストラも素晴しかった。
「チゴイネルワイゼン」は、小学校の時に何度も何度も聴いた。父 が給料日に買って来るドーナツ盤やLPの中でも特に好きな曲だった。安くないコンサートの切符は、一緒に行った息子夫婦からのプレゼント。ど うも有り難う!