リタイアメント・アパート

On 2023/11/30, in その他, by evermidori
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テニス仲間のデミアンとジョアンナの長女がピアノを弾いて歌うというので、聴きに行った。白ワインを飲みながら寛いで、ジャズの演奏に浸っているうちに、いつのまにか疲れがすーっと取れていった。音楽も良かったし演奏する二人も感じ良かった。思いがけないような心地良い時間を過ごした。

この超高級老人用アパートの、このロビーに来るのは2度目。最初は知り合いの版画家の展覧会だった。まるで一流ホテルのような雰囲気で、プール、映画館、バー、レストラン、ジム、美容室、図書館、薬局・・・などが完備しているとのこと。アパートの一室(と言ってもゆったりした2LDKや3LDK) の値段は1億円をゆうに超えるに違いない。他にも月々の管理費を払うのだろう。そして確かに安全で快適で豊かな老後の生活が送れるに違いない。

でも決して手が届かないものは不思議に欲しくならない。自己防衛本能が働くのかもしれない。ボロ家に帰ってくるとホッとするのは負け惜しみかもしれない。

  
 

クリスマス・ランチ

On 2023/11/29, in その他, by evermidori
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今年は、クリスマスとお正月をこっちで過ごすことにした。

「クリスマス・ランチ」の第一回は火曜の朝のテニス仲間と、レスター・ホテルで。ホテルと言っても泊まるところでは無く、パブだ。137年前の建物のレンガや窓はそのままで、中はモダンに明るく改装されている。

メインコースは35ドルから38ドルぐらい。フィッシュ&チップスでも30ドルだ。飲み物を入れると軽く50ドルを超える。物価高。それでもレストランよりは庶民的で安い。

私が食べたのはラム肉とサラダの一皿。炭火で焼いたラム肉にはバジルソース。サラダにはクスクス、ロケット、トマト、焼きナス、アーモンドが入っていて、お腹いっぱいになったし、美味しかった。

クリスマスはまだ先だけど、「メリークリスマス!」と言って乾杯すると、ケジメがつくみたい。

   
   
 

屋根の上の木の枝

On 2023/11/22, in その他, by evermidori
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昨夜は風が強かった。ゴォー、ゴオー、ギッギーッ、と怖いような大きな音が、暖炉から居間の中に響いてくる。ごぉーっ!ごぉーっ、ぎぎぃーっ!・・・・嫌だなあ。困ったなあ。屋根の上に伸びた木の枝が、ゆっさゆっさ揺れて、暖炉の煙突を擦っているんだ。いくら大きな木が好きだと言っても煙突が壊れては大変だ。夜が明けるのを待ってハンディーマンのデイブさんに電話して来て貰う。

昔の家だから天井が高い。つまり屋根が高い。でもスルスルと長い梯子を伸ばして屋根の上に上がったデイブさんの頼もしいこと!枝を掴んではノコギリで切り、切っては下へ落とし切っては落とし・・・若さと体力と腕力に惚れ惚れ。

軽々とやっているように見えるけど、ドサっと落とされた枝を持ってみると、わっ、重いーっ!

      

 

咲いている花

On 2023/11/20, in その他, by evermidori
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丹精するどころか、ろくに肥料もやっていないのに、今年も咲いた初夏の花。それぞれの色と形と思い出。「クジャクサボテン」を見ると、もう会えない景子さんを思い出す。エリカがいっぱい持ってきてくれたアガパンサス。「雑草だよ」とダリルに根こそぎにされても蘇ったハアザミ。なかなか育たないけど好きで大切なモックレモン。

花の命は束の間。庭があるということだって、いつまでのことか分からない・・・。

      

 

枯れた花

On 2023/11/20, in その他, by evermidori
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綺麗だったよ。楽しませてくれてありがとう。来年の春、また元気で会えますように。

咲き終わった花が愛おしい。

       

 

都鳥

On 2023/11/20, in その他, by evermidori
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サマトンビーチに行くと、いつもカモメがいる。波打ち際で遊んでいる。一羽だったり数羽だったり。日没後には可愛いシルエットになる。

砂の上を南へ向かって歩いていた。日暮れにはまだ間があって明るかった。すると突然、「都鳥」が心に飛び込んできた。

「名にし負はばいざ言問わむ都鳥  わが思う人はありやなしやと」という歌がくっきりと思い出されて、サマトンビーチのカモメが都鳥になった。理由は分からない。

在原業平のこの歌は教科書にも載っているそうだけど、私は15年ぐらい前に、言問橋の上でKさんに教えてもらった。教えて貰った時よりも、思い出す今のほうが新鮮で印象深い気がする。

 
 

キャサリン通り

On 2023/11/18, in その他, by evermidori
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家々の番地は、通りのこっち側(東側)が偶数、向こう側(西側)が奇数になっている。暫く空き家になっていた15番地(斜め向かい)の家が今朝のオークションで売れた。1955年に建った家だ。

オークションを取り仕切る人の雄弁にはいつも感心する。来た人たちへの挨拶。家の説明。この地区がどんなに良い環境で便利で人気があるかなどなどを流暢に熱を込めて話す。聞いているとクラップハムは素晴らしい地域に思える。

「では〇〇万ドルから始めましょう!」と言う声で競りが始まると、1万ドル2万ドル単位で値段がどんどん競り上がっていくから恐ろしい。1人はまもなく降りた。中学生の娘を連れてきていた夫婦と、中国人らしい二人連れの男性が最後まで争っていて、見ている人たちの同情はなんとなく若い夫婦と可愛い中学生の娘に向けらているようだった。しかしまだまだ余力がありそうな男性二人連れにとうとう負けてしまった。

住んでいた人が歳をとって施設に移ったり亡くなったりすると家が売られ、戦中戦後に建った古い家はたいてい取り壊されてモダンな家が建つ。キャサリン通りが少しずつ新しくなっていく。14番地の家にも80近いお婆さんが長く一人で住んでいるから、やっぱりそのうち売りに出されることだろう。

 
 

ルバーブ

On 2023/11/13, in 食べ物, by evermidori
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大好きなルバーブを頂いた。太いのも細いのも緑のも赤いのもある。綺麗だ。アップルクランブルかな、タルトかな、マフィンかな、ケーキかな・・・・考えながらオーブンのスイッチを入れたら、はい、決まり。

ごく細いのだけを小さく刻む。柔らかくしたバターに砂糖と卵とラム酒を入れ、粉を振るって入れて、ルバーブと胡麻を加えてさっくり混ぜる。分量はすべて適当。小さく丸めて天板に並べて、10分でいい香りがして「カンタンビスケット」が焼き上がる。

サクッとしてバターと胡麻が香ばしくて美味しい。赤い色にも満足。ルバーブをビスケットに入れたのは初めてだった。

こんなふうにササーッと、掃除や片付けやアイロンが出来たらいいのに!どうして出来ないんだろう?

 

スモークツリー

On 2023/11/10, in その他, by evermidori
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カーリックヒルの庭で3メートルぐらいの高さの珍しい木を見つけた。何だろう?近寄ってみると、お祭りの時に売っているピンクの綿菓子みたいだ。これは花なんだろうか?ボタンのような小さなものが先端に見えるけど、あれは種だろうか?

家に帰ってから、写真を 「Google find」 にドラッグして入れると、すぐに沢山の同じような写真が出てきた。ウルシ科の落葉樹で「スモークツリー」または「マグマノキ」という名前だ。日本には明治時代に持ち込まれて、庭木としても生け花の材料としても人気があるそうだ。

さらに勉強する。このふわふわしたものは花ではない。スモークツリーには雌の木と雄の木があって、雌の花が咲き終わると軸の部分が伸びて綿毛のようなものになるそうだ。そしてその先に種が出来る。

 
これがスモークツリーの花だそうだ。写真は「AOYAMA HANAMO」という花屋さんのページで見つけた。
 

カーリックヒル

On 2023/11/10, in その他, by evermidori
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アデレードの丘のふもとに、「カーリックヒル」という大きな(40ヘクタール)お屋敷がある。お金持ちのビル・ハワードと奥さんのアーシュラが1939年に建てて住んでいた贅沢な個人の家だ。(死後に州政府に寄付されている。)

家の中に飾ってあるコレクションが素晴らしくて、そのままそっくり美術館だ。ターナーや、ゴーギャンや、ラッセル・ドライスデイルなどの絵画。ジェイコブ・エプステインという人のいくつものブロンズ像。すべての部屋に使われている調度品やウィリアム・モリスのカーテン。豪華な食器類などなどなど・・・いいなあ、欲しいなあ、と思うものが沢山あって、1時間でも2時間でも見ていて飽きない。

25年前にこの家と庭を借り切って、秋ちゃんと晴代さんが結婚式を挙げた。いろいろ準備したのは私、ということもあって、カーリックヒルは大好きで特別な場所だ。久しぶりに行ってもっと好きになった。