魚料理に使われていた「フィンガーライム」を、メニューと一緒にお土産に頂いた。
縦に包丁を入れた途端、シュワッと香りが飛び散る。薄いピンクの粒々を口に入れるとプチプチの食感と酸っぱさと甘さと香り。「ま〜さん!」
遠い昔から、アボリジニの人たちの食糧だったそうだ。ニューサウスウェイルズ州とクイーンランド州にまたがる「原生雨林」が原生地。木は2−7メートルの高さで、蔓のように伸びる枝には棘があるそうだ。4cmから7cmの細長い実は、ピンクだけでなく緑も白も紫もある。2012年頃からアメリカで売られ始め、今は日本にも紹介されている。
メニューはシェフにお任せ。魚料理は7品。どれも珍しくて、工夫されていて、美味しかった。ヒントもいろいろ貰った。
キングフィッシュ(ブリ)の肝で作ったパテ。よっぽど新鮮なもので作ったに違いない。トルコパンもなかなか美味しい。
味わいのある海老のマリネ。ディルの他「フィンガーライム」の粒々が少し混ぜてあるのでプチプチ感と柑橘の味と香りがする。
ごくごく軽いライスクラッカーも自作のものに違いない。クラッカーに載せて食べる。
キンキンに冷やした生牡蠣を、「フィンガーライム」と塩で。どちらも良い。
フラットヘッド(こち)のカマを炭火で焼いて、蜂蜜を使ったソースで。フォークとナイフを途中で諦めて手でむしって食べる。
イカの足の唐揚げ。チリも塩も、私にはわずかに辛過ぎた。
小さな鮑が数個。ソースはレモンマーマレードと鮮やかな黄色のポレンタ。昆布バターが垂らしてある。
加藤登紀子の歌は、デビュー2曲目の「赤い風船」からずっと大好きだった。「灰色の瞳」「朝の食事」「少年は街を出る」「雨上がり」「この世に生まれてきたら」「コンドルは飛んでいく」「愛の暮らし」・・・繰り返し繰り返しレコードを聴いた。コンサートにも何度か出掛けて行った。でも38年前に日本を離れてからは「100万本の薔薇」ぐらいしか知らない。
NHKの「視点・論点」でウクライナ戦争のことを彼女が話しているのを見てびっくりした。わあ、今も元気で活躍しているんだ。
「100万本の薔薇」と、最近作ったという「声をあげて泣いてもいいですか」を歌ってくれた。でも、ううっ、声が、違っている。・・・ちょっとショックだったけれど、納得。
「100万本の薔薇」は、もともとはラトビアの歌謡曲で、歌の内容は「大国に翻弄されるラトビアの運命を歌ったもの」だって。ソ連の詩人が(実在のジョージアの画家の恋物語を)詩に書いて、それをアーラ・プガチョアという歌手が歌ってヒットしたのだそうだ。他にもいろいろな人が歌っているなんて知らなかった。