トイレに飾ったトルコキキョウは、小さくしぼんで半ば乾いている。その風情が、横にある「はかない」 というパステル画にも壁のひび割れにも似合っているから、もう暫くこのままにしておこう。
洗面所の百日草は、枯れてうな垂れてカビさえ生えているのに、それでもまだ捨てられない。なぜだろう?こんなことは今まで無かった。
老いた自分の姿を見るようだから?それもあるけど、しおれた花にも美しさがあると気付いたから。
花の気持ちは分からない。早く捨てて欲しいかもしれない・・・。
トイレに飾ったトルコキキョウは、小さくしぼんで半ば乾いている。その風情が、横にある「はかない」 というパステル画にも壁のひび割れにも似合っているから、もう暫くこのままにしておこう。
洗面所の百日草は、枯れてうな垂れてカビさえ生えているのに、それでもまだ捨てられない。なぜだろう?こんなことは今まで無かった。
老いた自分の姿を見るようだから?それもあるけど、しおれた花にも美しさがあると気付いたから。
花の気持ちは分からない。早く捨てて欲しいかもしれない・・・。
「よかったら今夜、ご飯を食べに来ませんか。和食ですけど。」というお嫁さんからの電話。もちろん喜んで出かける。初めて目にする「鯛の塩釜焼き」というのが出てきた。今夜の料理長は杏吾ちゃん。
鯛のお腹に昆布を詰めて、鯛の下にも昆布を敷いて、卵白4個と塩1キロを混ぜたもので鯛をすっぽり包んで200度のオーブンで30分焼く、そうだ。
焼きあがるとすぐにテーブルに出され、甲羅のような厚い塩が割られると、少しずつ姿を現した鯛は立派で良い香りで、食べてみると、ほどよい塩味でジューシーで、美味し〜い!
他にもサーモンの唐揚げ、魚のアラのスープと魚づくし。和風のサラダも美味しかった。デザートは冷たいお汁粉と白玉団子。杏吾ちゃん、ごちそうさま!
お土産の和菓子を持って行こうと思って電話をしたけど、会えなかった・・・これからも会えない。
12月にお見舞いに行った時は(ルキミアで)弱くなってはおられたけれど、日本から帰ったらまた会えると思っていた。
スカートの作り方を教えてもらうという口実で時々遊びに行って、お喋りしながら10枚ぐらいのスカートを縫った。難しいところは「親切に」やってくれたから、いつまでたっても私は覚えなかったけど、イングリッドと過ごす時間は心地よかったし、スカートの数が増えるのは嬉しかった。
彼女の専門は「機織り」だ。ソファーの上のカラフルなクッションも水色のクッションも彼女が織ったものだ。庭に大きな物置のような仕事部屋を持っていて、大小の織り機や糸車や糸や試作品でいっぱいだった。でも背中が痛くてもう織ることが出来ないと言っていた。
イングリッドを偲んで、スカートを作ってみようかな。作り方をメモした黒いノートと、今も毎日履いているスカートと、静かな時間の思い出が残っている。ありがとう、イングリッド。
ブライアンとマークがイギリス領事館で結婚したことを、一昨年5月にブログに書いた。
先週、そのブライアンが心筋梗塞で亡くなった。誰にとっても信じられないことで、あまりにも悲しい。
長い間ユリズミーを教えた先生で、どのユリズミストよりも優れていると私は思っていた。(「ユリズミー」というのは言葉や音楽を体で表現するシュタイナー独特のもの。)
ブライアンの子供達とマークを中心に200人ぐらいの人たちが一堂に会した。話したい人が次々に立って思い出を語り、ピアノの演奏や歌や詩の朗読もあり、泣いたり笑ったりの温かい集まりだった。
職員室でよく話したわね・・・・一人一人の生徒をよく見ているのに驚かされたわ。私が退職する時の、あの素晴らしいスピーチをありがとう。一年後にあなたもまた学校を去るなんて、想像もしなかった。