砂浜の向こうの岩の先端に、小さく何かが並んでいるのが見える。何だろう？

歩いて行ってみると、だんだんにそれが鳥だということが分かってくる。でもカモメではない。白と黒で首もクチバシもちょっと長くて、綺麗だ。揃って海を見ている。

写真を撮っていると・・・あ！飛んだ！あらあらあら、皆んな一度に飛んでいっちゃった！慌てて海の方へ向いてシャッターを押す。

家に帰って調べてみると、この鳥は「オーストラリアン・パイド・シャグ」、日本語では「鵜、マミジロウ」と書いてある。マミジロウって面白い名前だ。

一気に４３度の真夏日。テニスは中止になるし学校は（山火事の恐れで）休校だ。こんな日は海がいい。

高速道路に乗って南へ３０分ちょっと走ると、ポート・ノアルンガの海岸。アデレードには綺麗な海がいっぱいあるのだ。

昼間の海は明るく青くキラキラと輝いて、水はどこまでも澄みきっている！

長い桟橋を歩く人たち、桟橋から飛び込む人たち。シュノーケリングを楽しむ人たち。高校生がいるのは学校が休みだからだ。

４３度と言っても、急に気温が上がったというだけで、まだ温まっていない水の冷たさといったら！それでも初泳ぎをして嬉しかった！

どこかで擦れるような、引きずるような音がする。このまま高速道路に入るのは心配だから、取り敢えず「トヨタ」の駐車場に車を止める。RAA（道路サービス）を呼んでチエックして貰いたいと思うけど、なんと今日に限って携帯電話を忘れて来ている！

「トヨタ」の人に訳を話すと、私の車を指差して「あの青い車なら、タイヤがパンクしているよ」と言う。「え！どこ？」「後ろの左」

そうか、あの引きずるような音はタイヤのパンクだったのか。電話を借りてRAAに連絡しようとすると、「スペアタイヤを持っているなら僕が直してあげるよ」だって！まあ何と優しい、何と親切な！

車を扱っている人だから慣れているのか、あっという間にタイヤを交換してくれた。見ず知らずの人の親切が、心の底から有り難い。美味しいワインを届けようと思う。

先週歩いた「 オンカパリンガ」は国立公園。今週歩いた「マウント・マグニフィセント」は保護公園。いろいろ名前は違うけれど、南オーストラリア州全体の土地の２０％ぐらいが「守られた自然地域」に指定されているようだ。

春の花がまだいっぱい咲いていて、エキドゥナ（針もぐら）にも出くわして、２時間ほどの山歩きは楽しかった。何がマグニフィセントかというと、頂上（標高３８０メートル）から、ぐるりと３６０度の地平線が見渡せること！わあ、広〜い！

スヌーク（カマス）の干物が美味しかったので、今度は鯛に挑戦。日本語で何というのか知らないけれど、このフライパン・スナッパーと、スレッドフィン・ブリムは、とにかく鯛だ。丸ごと買うと何でもぐっと安いのは、切り身にする人件費が高いから。

出刃包丁で我流で開いて、塩水に１時間ほど浸けて、例のカゴに入れて干す。明日の晩には食べられるから楽しみだ。そのうち味醂干しなども試してみたい。干物は病みつきになりそう。